Portable Document Format (PDF)(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)は、デジタルデバイス上でアプリケーションやOS、ハードウェアに依存せず文章や図版を表示するために開発され、ISO 32000で国際標準化された電子文書ファイル形式であり印刷可能なあらゆる文書から生成できます。
PDFの特徴
PDF以外のテキスト形式の電子文書は、ほかのコンピュータ上で元のレイアウトを保持したまま表示・印刷するのは困難です。例えば、WordやExcelなどMicrosoft Officeの文書は、Officeソフトウエアをインストールすれば閲覧することは可能ですが、バージョンや設定が違っていたり、フォントの有無が原因で元の文書通りにレイアウトを保てない場合があります。またHTML の文書は多くのコンピュータで閲覧できますが、レイアウトの制限が大きい上、OSやウェブブラウザの種類・設定でレイアウトが変わることも多く見受けられます。
そのため、厳密にレイアウトを保持する必要のある文書はPDF化することで、Foxit Readerに代表されるPDFビューアー(表示用のソフトウェア)がインストールされているコンピュータであれば元のレイアウトどおりに表示・印刷できます。Foxit ReaderはWindows・iOS・Androidなど各種オペレーティングシステム (OS) に対応し無償で配布しておりますので、PDFファイルを様々なでデバイスで閲覧・印刷が可能です。
- 作成した文書を異なる環境のコンピュータで元のレイアウト通りに表示・印刷できる
- 文書のセキュリティを設定できる
- 圧縮してデータを格納することで、ファイルサイズを小さくできる
- しおり、リンク、注釈といった、文書を画面に表示するときに便利な機能を設定できる
- フォーム機能を使って、利用者の入力欄を受け取るような書式設定済み文書を作成できる
- 音声化などアクセシビリティに配慮した文書を作成できる
- マルチメディアに対応している
ISO32000-2(PDF2.0)について
FoxitはPDF Associationのパートナーメンバーで、ISO 32000-2 のスポンサーです。
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PDF テクノロジーのオープン仕様と標準を開発するためのベンダー中立のプラットフォームに従事するメンバー組織であるPDF協会は 1993年以来、PDFの当時の仕様である PDF1.0 ~ 1.7をISO 32000で規定し、誰でもが自由にPDFを実装できるようにしました。
これによりPDFはデバイスを問わない見読性を堅持し電子文書の標準的なフォーマットとなりました。
2017年、ISO 32000-2 は、ISOプロセスに基づいてベンダー中立のフォーラムであるPDF協会によって初めて完全に定義された新しいISO規格のPDFです。
そして、2023年6月16日、ISO 32000-2 のスポンサーであり世界的なPDF企業であるAdobe、Apryse、Foxit 3社の協力により、 PDF協会はPDFテクノロジの最新ISO規格であるISO 32000-2 (PDF 2.0 仕様) を無料で一般公開することができました。
ISO 32000-2 (PDF 2.0 仕様) セキュアおよび SHAKE256 ハッシュ アルゴリズム、NIST P カーブ、ブレインプール、およびエドワーズ カーブ (EdDSA) デジタル署名用の楕円曲線のファミリー等のサポートを追加するISOで標準化された拡張機能が含まれています。
Adobe、Apryse、Foxit は ISO 32000-2 の一般公開をサポートしています https://pdfa.org/sponsored-standards/
PDFの用途
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PDFの特長は、PDFファイル作成元と異なるコンピュータ環境において、作成元文書のレイアウトや書式を忠実に再現した表示・印刷ができることからWeb上の文書やソフトウエアの説明書などの公開・頒布に多く利用されています。将来のコンピュータの環境変化を想定した長期保存向け文書 (PDF/A) や、 DTP の過程でPDFファイルを作成・利用する (PDF/X) 用途も多くなっています。
そして、PDFファイルの公開・配布は印刷物を配布するのに比べて低コストです。そのためPDFを利用して例えば、カタログやパンフレットなどをインターネット上で公開したり、マニュアルや雑誌の収録記事をCD-ROMで配布することが一般的です。
また、最近では在宅ワークの比率が上昇したことから、国や地方自治体でも押印の見直しに取り組む際の推進体制、作業手順、判断基準等が示され、また一般の企業でも、社内文書をはじめ企業間における契約書のなどの押印に代わる電子署名の導入検討が進んでいます。
PDFはセキュリティも優秀
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PDFには、パスワードで権限を設定し、閲覧制限や複製、編集、印刷の禁止など用途や必要に応じた各種のセキュリティ設定ができます。
また紙を使う場合は、紙の経年変化、インクのしみ、筆跡などを頼りに科学的な鑑定で改竄を検出しますが、PDFでは元文書との比較や改竄検知もコンピュータ上で容易に行うことが可能です。
PDFソフトウェアを選ぶポイント
- PDFリファレンスに忠実であること= Adobe Reader / Acrobatの互換機能が実現できること
- 動作が軽くレスポンスが早いこと
- 時間や場所、デバイスを選ばずに閲覧性が確保されていること
- ポップアップリストやチェックボックス、ラジオボタンなど、電子文書のメリットが発揮できること
- 情報漏洩対策として個人レベル企業レベルを問わず必要なセキュリティが付与でき脆弱性の対応ができていること
- ライセンスの購入と継続に負担がないこと
- 導入後もサポートが得られること